こんにちは!レナードです(X 介護道中)
24時間、ご利用者様を支援している入居型施設では急変とは隣り合わせですよね。
「どうなったら急変なのか」
「看護師、上司に報告すべきなのか」
と不安に思いますよね。私も、常々感じている事です。
そこで今回は、日中と急変時対応の基本について解説いたします!
不安にならないためには、まずその対処法を知ることが大切です!
目次
急変って?【急変の基準】
急変の基準として
- 努力呼吸が認められる時(肩を動かして、頑張っている様な呼吸)
- 冷や汗をかいている時
- チアノーゼ(唇や爪が紫になっている)
- 意識消失(声かけや揺すぶっても反応がない)
- 多量の出血がある
- 呼吸停止(全く呼吸が感じられない)
- 心肺停止(脈が測れない)
などが挙げられます。
施設で働く私たちにとって、予期せぬ事態への迅速な対応は日常業務の一部です。
しかし、緊急事態が発生した際、職員・他業種間のコミュニケーション不足や不明確な基準が、迅速な対応を妨げることも少なくありません。
そこで、私たちが実践しているのが、事前に明確な基準を設け、それを全職員に徹底的に周知することです。
例えば、急変時にどのような状況が発生すれば即座に報告し、どのような対応を取るべきかなどの具体的なシナリオを用意しておくことが大切です。これにより、職員一人ひとりが迷うことなく、迅速かつ適切に行動できるようになります。
さらに、このような取り組みは、報連相のハードルを下げることにも繋がります。スタッフが何をすべきかを正確に理解していれば、不安やためらいを感じることなく、必要な情報を速やかに共有できるようになります。
最終的には、これらの取り組みが、施設での日々の業務をスムーズにし、何よりもご利用者様の安全と快適な生活を守るために大きく貢献します。
日中の急変時の基本
状況により、手順が前後したり、異なったります。
あくまで以下の内容はベースとして、ご参考くださいませ。
基本的な急変時の対応と流れ
- 急変が発生
- 意識確認・安全の確認・チアノーゼや表情などの観察 ※発見者
- 応援を呼ぶ(そのフロアにいる別の職員を呼ぶ)※応援者
- 応援者にまず看護師への報告、次にAEDや吸引機の手配を依頼する
- 発見者は応急処置・バイタル測定をする(体温・血圧・脈拍・酸素飽和度)
バイタル測定は2度に渡って測定します。1回目は事故が起きた時、2回目は1時間後です。理由は脳血管が損傷していたりすると、血圧の変動が起こるためです。 - 看護師が到着した後は、指示に従う
以上が大まかな流れとなります。
施設によって違いはありますが、発見⇒応援を呼ぶ⇒看護師へ報告という流れはほぼ一緒だと思います。
転倒・転落した場合
- まず状態確認(意識確認、出血・外傷の有無、姿勢など)
この時に、むやみに動かしてはいけません。神経を損傷するきっかけになります。 - 安全確保及び応急処置
周囲の安全を確認し、本人を安楽な姿勢にする(ベッドへの臥床)
ただし、多量の出血があった場合は、まず止血します。
止血の方法は、タオル等で患部出血が治まるまで圧迫します。 - バイタル測定をする(体温・血圧・脈拍・酸素飽和度)
- 外傷を確認する
出血・内出血・傷・打撲を全身確認します。
また、手・足を動かしてもらい、関節や筋肉に損傷がないか確認します。 - 看護師を呼ぶ
出血した場合
- とにかく止血をします
綺麗なタオルやガーゼで患部(傷口)を止まるまで圧迫します。
この時、出来る限り強く力を入れ出血を抑える事が重要です。 - すぐさま看護師に報告
- 落ち着いたらバイタル測定を実施
剥離の場合
皮が残っていれば、元の位置に戻す様に被せ、医療用テープで止め、ガーゼと包帯で保護します。すると、皮がくっつき治りが早くなります。
骨折した場合
- 骨折の具合を確認する
部位や、折れ具合を正しく把握しましょう。 - 痛みの有無を確認
- 看護師へ報告する
応急処置
骨折を放置すると、骨が動き神経を傷つけてしまう恐れがあります。
その為、すぐに看護師を呼べない状況の時は、棒状のものと医療用テープで固定し、包帯を巻いておきます。(私は以前、指を骨折された方には、割り箸を使いました)
呼吸苦及び喘鳴がある場合
- 側臥位(横向き)にし、呼吸を楽にする
仰向けだと舌が落ちてきて呼吸の妨げになる場合があります。これを舌根沈下と言います。 - 酸素飽和度(Spo2)を図ります
- 酸素飽和度が90%以下の場合は、速やかに看護師へ報告する
恐らく携帯酸素の使用指示があります。酸素を用いるボーダーラインは90%(呼吸不全)だと思われます。
しかし、普段から数値に出にくい方もいらっしゃいます。その為、普段から酸素飽和度を測定することをオススメします。
ごろつきがある場合
ゴロゴロと咽頭から音がする場合は、痰等が絡んでいる場合がありますので、その場合は喀痰吸引を実施する必要があります。しかし、誰でもが出来るわけではありません。資格が必要です。その為、吸引を実施するか否かを家族と相談し、計画を立てて喀痰吸引研修を受講していく必要があります。
誤嚥した場合
- 背部打叩法(タッピング)及び腹部突き上げ法(ハイムリック法)を実施
- 「①」で改善せず、意識が低下している場合は、応援を呼び、すぐさま看護師への連絡をする
※「①」で改善しても、状況を看護師へ報告します。 - 資格を持っている職員が喀痰吸引実施(看護師が到着するまで)
- 看護師の指示に従う。
- その後、熱発・酸素飽和度の低下や咽頭のごろつきがないか注意深く観察する
吸引が成功し意識が戻った場合でも、その後、誤嚥性肺炎を引き起こす可能性があります。その為、しっかりと観察し随時報告する事が大切です。
夜間の急変時の基本
日中は看護師が常駐し、何かあってもすぐに看護師へ連絡をできる所が多いと思います。
問題は夜間ですよね。
私の施設も、夜間は看護師がいませんから、連絡してもすぐに来られる状況ではありません。
そこで不安なのが
・看護師への連絡基準がわかりづらい(判断に困る)
・とりあえず1人で対応しなければならない
ではないでしょうか。
でも大丈夫です。以下の事をすればその不安を少しでも和らげられます。
- 事前に看護師や上司に、連絡フローを聞いておく
- 別のフロア職員に連絡する
です。
「え?当たり前なのでは?」と思ったかもしれませんが、不安になる原因は「分からない」があるからです。
その為、事前に連絡手段と経路を明確に聞いておくことで、脳が安心します。
人がなぜ不安になるのか、そのメカニズムを知ることはとても重要です。
不安さえなければ、自身をもって急変対応ができ、結果的にあなたもご利用者様も守るのです。
まとめ
急変時の対応としてまとめると
分かりやすい資料として、見える場所に添付するとなお良い