介護において、声かけに困った経験ありませんか?
本記事では、介護において効果的で安心感を与える声かけのポイントをご紹介します。
ご利用者様が安心して日々を過ごすためには、声かけの方法や内容が大きな役割を果たします。適切な声かけは、不安を和らげ、信頼関係を築く重要なコミュニケーションツールです。
- 声かけの仕方
- 声かけの基本
目次
声かけの重要性
声かけの仕方によってご利用者様の反応が変わってきます。
私たちも普段、言われたら嫌なこととか、「説明されているけど、納得できない・理解できないな」と感じることがあると思います。
ご利用者様も同じで、介助者の声かけや説明の仕方1つで、伝わるか・安心できるかが変わってきます。
声かけの基本
声かけの基本は以下の通りです。
- 「伝える」ではなく「伝わる」を意識する
- 基本は敬語
- ジェスチャーなどを交える
- 表情をシーンに合わせる
- 理由をきちんと伝える
それでは、1つ1つ詳しくご説明させて頂きます。
「伝える」ではなく「伝わる」を意識する
簡単に言えば、「相手の言葉」に置き換えて伝えましょう。
例えば、
・「オムツを交換させて頂いてもよろしいですか?」
⇨「おしめを交換させて頂いてもよろしいですか?」
・「
また、できる限りきちんと伝わったか確認しましょう。
ただし、しつこく聞くのは厳禁です。
基本は敬語
書こうかと迷ったのですが、大事なことですので少し触れさせて頂きます。
ご利用者様はお客様でもありますが、人生の先輩でもあります。
そのため、きちんと敬語で話しましょう。
ご使用者様の中には、タメ口や馴れ馴れしい態度を好まない方もいます。
配慮が必要です。
しかし、認知症の方や難聴の方は長文だと聞き取りにくい場面があります。
その場合は、単語で伝えるなどの工夫が必要です。
ジェスチャーを交える
言葉での声かけがうまく伝わらない時は、身振りなどのジェスチャーが有効です。
例えば
目的地を指さしたり、食事の声かけの時にスプーンですくう動作や入浴の時に体を洗う動作などです。
特に難聴や言語障害をお持ちの方に対しては有効であり、ご利用者様も安心できます。
表情をシーンに合わせる
楽しんでいる時に介助者が無表情だと気分が落ちてしまいますし、悲しんでいる時に介助者が笑っていると不謹慎で、苛立ちを覚えるかもしれません。
また、表情をシーンに合わせることで、今は何をしているのか、その表情から読み取るご利用様もいらっしゃいますので、表情はコミュニケーションツールとしての機能を有します。
理由をきちんと伝える
何かをお願いするとき(〇〇に行く、など)は、きちんと理由を説明すると、ご利用者様も安心できます。
理由を説明されないと、納得できず拒否感が現れてしまうご利用者様もいらっしゃいます。
シーン別 声かけのポイント
声かけの共通ポイントは
- その方の認識状況に合わせる
認知症状があるかないかで声かけの内容・仕方が変わってきます。 - 明確な嘘は言わない
ある程度遠回しの言い方をする必要がある時もありますが、基本的には嘘は御法度です。
あとで、ご利用者様が不一致や違和感に気づくこともあると思います。その場合は、再度嘘をついてその場をやり過ごしても、どんどん火種が大きくなる場合があります。 - 本当のニーズを知る
声かけに対して拒否をされることが少なくありません。
その場合は、ご本人様が「本当は何がしたいのか」「なぜ拒まれるのか」を前後の背景やご本人様との会話から把握していきます。 - 自尊心に配慮する
命令口調になったり、褒めすぎたりなど、日常生活で私たちが言われたら嫌なことは、ご利用者様も嫌です。そのため、最低限は自分が言われたら嫌なことを言うのは控え、相手の反応を日々観察しながら、声かけの工夫に努めましょう!
食事
食事での声かけのポイント
- 最初に今は何の食事か伝える
例「朝ごはんですよ」 - メニューを伝える
例「今日は鶏肉ですよ」 - 何を食べるか伺う
例「まず何を食べますか」と伺いながら食べ物を見てもらいます。
入浴
入浴介助での声かけのポイント
- お風呂に行きたくなるような声かけをする
※お風呂が好きなご利用者様には不要かもしれません
例「いいお湯湧いてますよ」 - 明確な拒否があった場合は、ハードルを下げる
お風呂が別日に調整できればいいのですが、中々そうは行きません。その場合は、ハードルを下げるような声掛けをします。
例「お体だけでも拭きませんか?」
「お着替えだけでもいかがですか?」
排泄
排泄介助での声かけのポイント
トイレ誘導の場合
- トイレを促す時
例「一度トイレに行きませんか?」
「〇〇をする前に、トイレに寄ってスッキリしませんか?」
オムツ交換の場合
- オムツ交換をすることを伝える
例「おしめを交換させて頂いてもとろしいですか?」
「一度、見させて頂いてもよろしいでしょうか?」 - オムツ交換後
例「気持ち悪いところはありませんか?」
「痒いところはありませんか?」
移動・移乗
移動介助での声掛けのポイント
- 動くことを伝える
何も言われずにいきなり動いてしまうと、びっくりさせてしまします。
例「後ろに下がりますね」
「動きますね」 - 目的地を伝える
目的地を伝えないと、どこに連れて行かれるのか不安にさせてしまいます。
例「これからリビングまで押させて頂きます」
移乗介助での声掛けのポイント
- どこに掴まればいいのかを伝える
立ち上がる際に、手すりなのか介助者の腕か腰なのか、きちんと掴まる場所を伝えます。
例「私の腕に捕まって頂いてもよろしいですか?」
「この手すりに捕まって立っていただけますか?」 - 力を入れてもらうように声かけする
この声かけをすることで、下肢に力を入れてくれるご利用者は多くいらっしゃいます。
例「足の力を入れて頂いてもいいですか?」
レクリエーション
レクリエーションでの声掛けのポイント
- 盛り上げる声かけをする
- 自尊心に配慮した声かけをする
例 塗り絵「綺麗ですね」
創作「芸術的ですね」
聴きくのも大事
今回は「声かけ」に重点を置いていますので深くは触れませんが、適切な声かけをするためには、日々のコミュニケーション、とりわけご利用者様の話をよく聴き、趣向を把握しておく必要があります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
まだまだ僕も未熟ではありますが、声かけ次第でご利用者様の反応や幸福度が変わってきます。
これからも一緒に、声かけをマスターしていきましょう!